国債の発行の数が増えると、国債の利率が高くなります。
なぜなら、利率を高くしないと、政府は、新発債を売りさばくことはできないからです。
この言葉の意味を噛み砕いていきます。
国債
国債とは、政府が投資家に売ってる紙です。
もし、投資家が国債を満期まで持っていると、元本が手に入ります。
さらに、利子ももらえます。
「国債を買う」ということは、「政府にお金を貸す」ということです。
国債を買って、満期まで国債を持っておくと、元本が帰ってきます。
しかし、国債には、リスクがあります。
リスクとは、「お金を返してもらえないリスク」です。
国債を満期まで持っていても、元本が帰ってこない可能性もあります。
それは、政府が財政破綻した場合です。
もし、財政破綻すれば、お金は返ってきません。
元本が100%帰ってくることが分かっているなら、その国債は安全です。
しかし、日本の国債の場合、元本が帰ってこない可能性もあります。
それは、日本政府が財政破綻した場合です。
日本政府が財政破綻すると、日本政府は、国債の元本を払うことができなくなります。
国債は、リスクがある投資なのです。
それでは、どのようにして、財政破綻するかどうかを予想するのでしょうか?
それは、政府の国債の発行量を見ます。
また、もし、日本政府が国債を大量に発行している場合は、財政破綻するリスクが高くなります。
「国債を大量に発行する」ということは、「たくさんの投資家からお金を借りる」ということだからです。
政府が借金だらけになっているということです。
お金を借りる量が増えていることは、投資家にとっては、不安になります。
もし、政府が、国債をたくさん発行していると、本当に利子をつけて返してくれるのか…という不安が出てきます。
国債を発行する量が増えるほど、「政府にお金を貸したくない」「お金を貸すのは、不安だ」と考える投資家も増えます。
例えば、もし友達が「お金を貸してほしい」と言ってきたら、お金を貸すかもしれません。
しかし、その友達が、たくさんの人から借金をしてるところを見たら、その人にお金を貸すことに不安を感じるようになります。
借金は、増えれば増えるほど、返すのが大変だからです。
政府が国債を大量に発行していると、国民は、政府を信用できなくなってしまうのです。
「信用できない」とは、「お金を返してもらえるかどうか不安だ」という意味です。
「もしかしたら、満期になっても、お金を返してもらえないかもしれない」という気持ちになるのです。
金利
投資家は、出来るだけ国債を高い金利で買いたいと思っています。
もし、国債の金利が高ければ、もらえるお金の量が多くなります。
国債を持ってる人が、もらえるお金のことを「利子」と言います。
金利とは、お金を貸した時にもらうお金です。
例えば、政府は国民に「お金を貸してください」と言います。
お金を貸してくれた人には、国債を渡します。
そして、国債を持ってる人に対して、政府は利子を払うのです。
利子とは、国債を持ってる人にとっては「もらうお金」です。
政府の目線から見ると、国債の金利が高いとしんどいです。
払うお金の量が多いということだからです。
政府は国債を売りたい
政府は、国債を低い金利で売りたいです。
しかし、国債を低い金利で売っても、買ってくれる人は少ないです。
そこで、政府は、金利を高めに設定します。
「金利を高くしてあげるから国債を買って」ということです。
金利が高いことは、投資家にとっては嬉しいです。
「金利が高いなら、国債を買ってもいい」と考える投資家は、たくさんいるのです。
そのため、政府は、国債の金利を高く設定することで、投資家に国債を売ります。
投資家は、出来るだけ、リスクが低くて、金利が高い国債を買いたいと考えています。
しかし、政府があまりにたくさんの国債を発行すると(たくさんの借金をすると)、投資家は政府を信用できなくなります。
こうして国債の人気が下がっている時は、国債は売れません。
そのため、政府は、金利を高く設定することで、国債を売りさばくのです。