ルーズベルト大統領は、金本位制を廃止しました。
代わりに、管理通貨制度を導入しました。
なぜなのでしょうか?
見ていきます。
金本位制とは
お金(紙幣)が金と交換できる制度のことです。
金と交換できるお金のことを、「兌換(だかん)紙幣」と言います。
例えば、円は、金の750ミリグラムでした。
金の重さが基準だったのです。
ちなみに「本位」とは、基準のことです。
金「本位」は、金が基準ということです。
ちなみに、「自分本位」という言葉があります。
これは、自分を基準にする人のことです。
金本位制の時代は、中央銀行が持ってる金の分しかお金を発行できませんでした。
つまり、昔は、「ガンガンお金を刷る」ということができなかったのです。
しかし、第一次世界大戦が始まると、各国はもっとお金が必要になりました。
しかし、第一次世界大戦の後、多くの国が貧しくなってしまったので、すべての国で、金本位制が廃止されました。
金本位制が廃止された理由は、景気が悪い時は、たくさんお金を発行したいからです。
金本位制の国では、手に入った金の量だけ、お金を刷ることになっています。
しかし、たくさんお金を刷ることができれば、国民がみんな一斉にお金持ちになることもできます。
だから、金本位制を廃止してしまったのです。
第一次世界大戦の時から、紙のお札と金の交換はやめたのです。
そして、「お金をガンガン刷っていい」仕組みにしました。
「お金をガンガン刷っていい仕組み」のことを、管理通貨制度と言います。
ちなみに、「お金」「貨幣」「通貨」は、同じ意味です。
管理通貨制度とは
管理通貨制度とは、政府が通貨基準を定める制度の事です。これはドルの価値低下を防ぐのが狙いです。
管理通貨制度になってから、お金は、金と交換できなくなりました。
金と交換できない紙幣のことを、「不換(ふかん)紙幣」といいます。
金本位制と管理通貨制度
金本位制と管理通貨制度のそれぞれのメリットとデメリットを見ていきます。
金本位制のメリットは、お金の価値が下がらないことです。
一方、デメリットは、たくさんお金を刷れないことです。
景気が悪い時や、戦争の時は、各国の政府は、「お金をたくさん刷りたい」と考えます。
しかし、金本位制の時は、持ってる金の分しか、お金を刷れないのです。
次に、管理通貨制度についてです。
管理通貨制度のメリットは、お金を好きなだけ刷れることです。
デメリットは、お金を刷りすぎると、インフレになることです。
インフレとは、お金の価値が下がることです。
紙のお金をたくさん刷ることは、簡単です。
でも、お金をたくさん刷りすぎると、お金の価値が下がってしまうのです。