アニマル・スピリットとは?イラストで分かりやすく解説

ケインズ

ケインズは、景気が悪い時は、アニマル・スピリットが大切だと考えました。

なぜなのでしょうか?

見ていきます。

アニマル・スピリットとは 

アニマル・スピリットとは、将来に対する主観的な期待のことです。

「主観的」というのは「自分が正しいと思う」というニュアンスの言葉です。

「期待」とは「希望」とか「未来に幸せがあると信じていること」です。

みんなが絶望してるのに、なぜか「未来は明るくなる」と信じてる人っていませんか?

そういう人は、成功率の低い挑戦をガンガンしてしまったりします。

そういう野心的な意欲のことを、ケインズは「アニマル・スピリット」と呼びました。

冷静に考えると、景気が悪い時は、成功しづらいです。

だから、普通の人は、景気が良い時は挑戦をしますが、景気が悪くなると、パタっと挑戦をやめてしまいます。

なのに、景気が悪い時に、思い切った挑戦をしてしまう人たちがいます。

失敗すると分かっているのに、挑戦してしまうのです。

彼らは、経済学者から見たら、不思議な存在です。

行動が予測不能だし、合理的じゃないからです。

しかし、このような合理的じゃない人間が、不景気の時には必要だと、ケインズは言います。

不景気の時に成功しづらい理由

まず、一般的に、景気が悪い時は、挑戦しても成功しづらいです。

なぜなら、デフレだからです。

デフレとは、物価がどんどん下がることです。

皆さんが、パン屋さんの店長だとします。

デフレの時は、パンを安くしないとパンが売れません。

そんな時、わざわざ「パン工場を大きくしよう」という気分にはなりません。

パン工場を大きくして、パンをたくさん作っても、どうせ売れないのです。

だったら、何もせずに、ちまちま貯金した方がいいです。

そのように考えたなら、あなたは合理的です。

将来が不安な時は、貯金をするべきなのです。

不景気でも挑戦する人たち

一方で、景気が悪いのに挑戦する人々がいます。

アニマル・スピリットを持った人たちです。

アニマル・スピリットとは、不安を乗り越えて、挑戦しようとするマインドのことです。

彼らは、将来が不安な時に、貯金もせずに挑戦をしてしまいます。

根拠がないのに、将来に希望を抱くのです。

なぜ、彼らはこのような予測不可能な行動をとるのでしょうか?

ケインズは「彼らは、ただ動物的な衝動(アニマル・スピリット)に突き動かされている」と考えました。

しかし、誰かが挑戦をすれば、周りの人も勇気づけられて、挑戦するようになります。

絶望的な不景気の時は、アニマル・スピリットを持った人を育てることで、景気を良くすることができるのです。

不安なのは当たり前

「不景気だ」と言われ続けていると、みんなが不安を抱えるようになります。

しかし、そもそも、資本主義は不安定なのです。

不安定だけど、それを乗り越えて発展させるために、強い精神力が必要です。

もし、会社の社長たちが強さを失えば、資本主義は滅亡するとケインズはいいます。

そもそも色んな挑戦は、上手くいくかどうかなんて誰にも分かりません。

みんな自分の勝手な思い込みや、その時の根拠のない自信に支配されているだけです。

しかし、その楽観的な思い込みが大切なのです。

誰かが挑戦すれば、その分、経済が動きます。

そもそもお店を大きくすることなどの挑戦はどのように行われるのでしょうか?

建前上では、調査を行い、利益がでるかどうかを計算します。

しかし、実際に投資する人たちは、全然そんなことはしていません。

単なる思い込みと勢いだけで挑戦するかどうかを決めているのです。

そうした思い込みや勢いは、その時の時代の雰囲気に流されます。

バブル期はみんながなぜか強気で、成功しないような挑戦をしてしまいます。

不景気だと逆に、みんな意味もなく弱気で、成功しそうな挑戦すらしません。

不景気になれば、弱気になるのが普通です。

しかし、もし、アニマルスピリットがなくなり、楽観的じゃなくなると、企業は衰えてしまいます。

何か心の中に強い情熱を抱えているのであれば、その勢いに任せて挑戦するべきなのです。

挑戦する人たちは、衝動で挑戦してるのであって、いろいろ計算してから動いてるのではありません。

 

成功するかどうかを合理的に判断するだけでなく、根拠のない自信に任せて動くことも大切なのです。 

タイトルとURLをコピーしました