ニクソンショックとは?イラストで分かりやすく解説

経済学入門
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お金の価値とは

お金の価値とは、なんでしょうか?

第二次世界大戦より前の時代は「お金は、金(キン)と交換できるから、価値がある」と考えられていました。

お金に価値がある理由は、金(キン)と交換できるからです。

お金は、金(キン)と交換できます。

また、もう一つルールがあります。

その国が発行できるお金の量は、その国が持ってる金(キン)の量だけというルールです。

国が持つお金の量は、その国が持つ金(キン)の量とイコールである必要があります。

金(キン)をたくさん持っている国は、お金をたくさん発行できます。

一方で、金(キン)があまりない国は、お金をあまり発行できません。

その国が持ってる金の量と、お金の量が同じ量でなければいけなかったのです。

各国は、金(キン)がある時だけ、お金を発行することができました。

持っている金(キン)の量以上のお金は発行できません。

これを「金本位制」と言います。

金本位制とは、お金と金(キン)が交換できる制度のことです。

金本位制

金(キン)とは、「ゴールド」のことです。

本位(ホンイ)とは、「基準」ということです。

金本位とは、「金(キン)が基準」ということです。

金(キン)は多くの国で価値が認められています。

そのため、金(キン)と交換できるお金にも、価値があるということです。

金(キン)とお金が交換できるようにすることで、メリットがあります。

こうすると、通貨が違う国どうしでも貿易が簡単になるのです。

海外とやり取りをする時に便利なので、各国は、金本位制を取り入れました。

金本位制の時は、金(キン)と各国のお金が交換できました。

しかし、その後、第二次世界大戦が起きてから「金本位制ではダメだ」と考えられるようになります。

金本位制ではダメだった理由

金本位制のデメリットは、金(キン)がないと、お金を発行できないことです。

昔は、それぞれの国が金(キン)を持っていたので、金本位制ができました。

しかし、第一次世界大戦の頃、イギリスをはじめとするヨーロッパ諸国は、アメリカから武器を買うようになりました。

イギリスがアメリカから武器を買うと、アメリカが金(キン)を受け取ります。

イギリスからアメリカへ金(キン)が流出します。

こうして、イギリスの金(キン)はどんどん減ってしまいました。

そして、イギリスは、金本位制を維持できなくなりました。

その後、世界恐慌をきっかけに、いろんな国が貧しくなり、第二次世界大戦が始まります。

第二次世界大戦後

第二次世界大戦後が終わると、金(キン)はドルとだけ交換できるようになりました。

これは「金・ドル本位制」と言います。

金(キン)と交換できるのは、ドルだけです。

ドルは、各国のお金と交換できます。

他の国が金(キン)が欲しい時は、まず自分の国のお金を、ドルと交換する必要がありました。

金・ドル本位制と金本位制の違いは、金(キン)と交換する時に、間にドルを挟むかどうかという点です。

金・ドル本位制では、ドルと交換した後に、金(キン)と交換する必要があります。

金・ドル本位制は、ドルが金と同じように、国際通貨の基軸になりました。

これにより、ドルの価値は金(キン)によって保証されるようになりました。

それまでは金のみが国際通貨として認められていましたが、ドルも、国際通貨として認められるようになったのです。

第二次世界大戦後、アメリカは圧倒的な経済力で金を備蓄しました。

アメリカは、世界の75%の金(キン)を持っていました。

金・ドル本位制のメリット

金(キン)とドルで大きく違うのは、流通量の調整を容易にできるかどうかです。

金(キン)での貿易は、ちょっと不便でした。

金(キン)ではなくて、紙のお金であるドルで貿易する方が便利です。

世界経済の中心かつ、たくさんの金(キン)を持っていたアメリカのドルで貿易をすることで、円滑なやり取りを行えるようになりました。

金・ドル本位制のデメリット

しかし、金・ドル本位制には、デメリットがありました。

金・ドル本位制のデメリットは、アメリカが持っている金(キン)よりも、たくさんのドルは発行できないという点です。

金・ドル本位制では、持ってる金の量と、ドルの量をイコールにする必要があります。

  

しかし、世界経済の発展とともに、世界に流通するドルが増えた結果、アメリカが持っている金(キン)の量を超えてしまいそうでした。

さらに、ベトナム戦争による軍事費拡大などが原因でアメリカの財政は悪化しました。

そのような状況が続いた結果、アメリカが持ってている金(キン)の量以上のドルが世界で流通している状況となってしまいました。

こうして、金・ドル本位制は終わりました。

ニクソンショック

ニクソンショックとは、ニクソン大統領が「金(キン)とドルの交換をやめる」と言った出来事です。

アメリカは金とドルとの交換をいつでも保証していました。

しかし、それは、アメリカがたくさん金(キン)を持っていたから、可能でした。

ベトナム戦争による軍事費拡大などが原因でアメリカの財政は悪化したため、アメリカにある金が減ってしまいました。

もし、世界中の人が同時に「金(キン)とドルを交換してください」と言ったら、アメリカは、それに対応できません。

そのため、ニクソン大統領は、金(キン)とドルの交換できないと考えました。

その後は、お金は「お金そのものに価値がある」と考えられるようになりました。

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