今のお年寄りは、払った額より多くの年金を受け取っています。
その理由は、今の年金の仕組みは「積み立て」ではなくて「世代間の助け合い」だからです。
積み立て
かつては、年金は積み立てでした。
積み立てとは、自分が若い時に払ったお金を、年取ってからもらうというものです。
もともと年金制度は、若いうちにお金を積み立てて、歳を取ってからそれを受け取るという仕組みでした。
世代間の助け合い
しかし、田中角栄内閣の時に仕組みが変わりました。
現在は、年金は「世代間の助け合い」と呼ばれています。
自分で積み立てるのではなくて、若い人が納めたお金をお年寄りに渡すという仕組みです。
いま年金を受け取っているお年寄りが若い頃に払った保険料は、当時のお年寄りが受け取りました。
今、若い私たちが払った保険料は、今のお年寄りが受け取っています。
若い時に、お年寄りを助けたのだから、自分が歳を取った時に、若い人に助けてもらうのが当たり前という考え方です。
年金の仕組みは、積み立てから、助け合いに変わりました。
若い人が大勢いて、お年寄りの数が少ないうちは、お年寄りはたくさん年金がもらえます。
そのため、今のお年寄りは、払った額より多くの年金を受け取っています。
いま70歳の人は、支払った額の5.2倍の年金を受け取っています。
私たちも払った金額より多く受け取れる
実は、今のお年寄りだけでなく、私たちも払った金額より多くの年金を受け取ることができます。
その理由は、企業も年金を払ってくれているからです。
年金を払っているのは、人だけではありません。
私たちが働いている企業も年金を払っています。
例えば、いま企業で働いている20歳の人は、将来、支払った額の2.3倍を受け取ることができます。
年金は、おトクなのです。
しかし、今のお年寄りよりに比べたら、かなり減ります。
年金は右肩下がりに減っています。
いつかは払った金額がもらえない世代も出てくるかもしれません。