預金準備金率操作は、金融政策の1つです。
預金準備金率操作とは何か、解説していきます。
政策
景気を良くするためには2つのやり方しかありません。
金融政策と財政政策です。
そして、金融政策には、「公定歩合操作」「預金準備金率操作」「公開市場操作」の3つがあります。
今回は、「預金準備率操作」について、解説します。
登場人物は、3つです。
日本銀行は、1つだけです。
銀行は、世の中にたくさんありますが、日本銀行は1つしかありません。
また、日本銀行は、日本の中央銀行と、呼ばれます。
中央銀行とは、それぞれの国に一つずつある銀行です。
景気
景気は、ある程度コントロールできます。
景気をコントロールする方法は、世の中に出回っているお金の量をコントロールすることです。
まず、世の中のお金が少なすぎる時は、お金の量を増やす必要があります。
世の中のお金の量が増えると、景気が良くなるのです。
その理由を説明します。
世の中のお金が増えると言うことは、給料が増えると言うことです。
給料が増えると、お財布の中のお金の量も増えます。
お財布の中のお金が増えたら、買い物したくなります。
買い物をする人が増えると、商品が売れて、お店が儲かります。
お店が儲かると、そのお店で働いている人の給料が増えます。
このように、世の中のお金の量を増やすと、景気を良くすることができます。
一方で、世の中のお金が多くなりすぎても問題です。
世の中のお金が多すぎる時は、世の中のお金を量を減らします。
世の中のお金が減ると、人々のお財布の中のお金が減ります。
そして、みんな節約をして、買い物をやめます。
お店のものが売れなくなります。
お店が儲からないので、そこで働いている人の給料も下がります。
このように、お店が儲からないようにすることを「景気にブレーキをかける」と言います。
世の中に出回っているお金の量をコントロールすることで、景気を良くしたり、ブレーキをかけたりすることができます。
世の中に出回っているお金の量をコントロールする方法が、金融政策です。
金融政策をおこなうのは、日本銀行です。
それでは、金融政策の一つである「預金準備率操作」について見ていきます。
預金準備率操作
準備金とは、銀行が日本銀行に預けてるお金のことです。
銀行は、普段は個人にお金を貸し出していますが、持ってるお金の全てを貸しているのではありません。
一部を貸さずに持っています。
この「貸さずにいる分」のことを「準備金」といいます。
貸さずに持っている分は、日本銀行に預けています。
持ってるお金のうち、準備金の割合のことを「預金準備率」といいます。
日本銀行が、準備金の割合を決定しています。
銀行は、準備金を日本銀行に預けることを義務づけられています。
このルールを「準備預金制度」といいます。
準備金が必要な理由は、お金を預けた個人が、お金を引き出したくなった時に、ちゃんとお金を引き出せるようにするためです。
そもそも、銀行は、個人からお金を預かったり、個人にお金を貸したりしています。
つまり、個人が銀行に預けたお金は、銀行に置いてあるのではなく、誰か他の人に貸してあるのです。
そのため、お金を預けてる人がお金を引き出したいときに、引き出せるように、準備金は、誰にも貸さないでおいてます。
もし、準備金がないと、トラブルが起きます。
例えば
上のお話は、嘘の作り話ですが、実際にこんなことがあったら大変です。
そのため、準備金は、日本銀行に預けてあります。
まとめ
ここまでのまとめです。
・銀行は、個人からお金を預かったり、個人にお金を貸したりしている。
・銀行は、持ってるお金の一部を日本銀行に預けて、残りを他の個人に貸し出してる。
操作とは
さて、預金準備率操作の話に入ります。
「操作」とは、上げたり下げたりすることです。
「預金準備率操作」とは、「準備金の割合を、上げたり下げたりすること」です。
準備金の割合を変えることで、世の中に出回るお金の量を変えます。
準備金の割合を増やしたり減らしたりすると、世の中に出回るお金の量も増えたり減ったりします。
銀行には、自由に使えるお金と、自由に使えないお金がありますが、自由に使えるお金は個人に貸し出します。
準備金の割合を増やしたり減らしたりすると、世の中に出回るお金の量も、増えたり減ったりするのです。
では、準備金の割合を増やした時と、減らした時を、それぞれ見ていきます。
準備金の割合を増やした場合
準備金の割合を増やすと、個人に貸せるお金が減ります。
そのため、世の中に出回るお金が減って、景気にブレーキがかかります。
ちなみに、個人に貸せるお金の量が減ると、銀行の金利が上がります。
金利が上がると、お金を借りづらくなります。
そのため、金利が高い時は、個人はお金を借りようとしません。
準備金の割合を減らした場合
準備金の割合を減らすと、個人に貸せるお金が増えます。
そのため、世の中出回るお金が増えて、景気が良くなります。
ちなみに、個人に貸せるお金の量が増えると、銀行の金利が下がります。
金利が下がると、お金を借りやすくなります。
そのため、金利が低い時はたくさんの人が、お金を借りようとします。
確認問題
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