フィスカルポリシーとは
フィスカルポリシーとは、景気の状況に応じて、税の増減や公共事業への支出の増減などをすることです。
「フィスカル・ポリシー」=「裁量的財政政策」です。
ポイントは、政府が意図的に行うということです。
意図的の意味
「意図的」とは、「目的を持って」やるということです。
偶然ではないということです。
結果が分かっていながら、あえてその行為をするときに使います。
例えば、「意図的に窓を割った」という言葉は「わざと窓を割った」という意味です。
裁量の意味
裁量とは、頭で考えて判断するということです。
「きまぐれ」という言葉に近いかもしれません。
ルールに従うのではなく、自分自身で「判断して」行動するときに使われます。
例えば、「個人の裁量の余地はない」とは、「自分で判断できない」という意味です。
景気の舵取り
フィスカルポリシーとは、その場その場の景気に合わせながら、うまく景気の舵取りをやっていこうという政策のことです。
つまり、状況に合わせる政策のことです。
景気が過熱してる時
たとえば、景気が過熱している時は、国民が買い物する量が増えます。
みんなが買い物をしすぎな時は、買い物の量を控えてほしいのです。
そんな時は、公共事業を減らしたり、増税をしたりします。
景気が良い時は、国民からたくさん税金を集めます。
また、公共事業を減らすことで、国民へ行き渡るお金の量を減らします。
景気が悪い時
不景気の時は、公共事業を増やします。
「公共事業を増やす」=「政府支出を増やす」です。
または、減税をすることで、買い物しやすくして、国民にお金を使わせようとします。
不景気の時は、国民から集める税金の量を減らします。
また、公共事業を増やすことで、失業者を減らしたり、国民の給料が増えるように仕向けます。
裁量かルールか
ここからは、応用の話です。
「裁量かルールか」という議論があります。
裁量
フィスカル・ポリシーは、人が頭で考えて、舵を取ります。
そのため、正確に効果を出すことができるというメリットがあります。
しかし、スピードが遅いというデメリットがあります。
予算を通すには、けっこう時間がかかります。
そのため、フィスカルポリシーは、実施するまでに時間がかかるのです。
フィスカルポリシーでは、景気の変動を見て、不況だったら公共事業を増やして、好況の時は減らします。
政府が景気や経済の動きを予想しながら、経済を安定化させようとします。
時間がかかってしまうので、政府が適切に未来予想できていないと、適切な時期に適切な政策がとられるとは限らないのです。
ルール
船を安定化させるための装置のことを、スタビライザーといいます。
スタビライザーの意味は、「安定化させる」です。
経済学でいう、ビルトインスタビライザーとは、あらかじめ決めておいた政策以外は行わないというやり方です。
(ビルトインの意味は、「あらかじめ組み込まれている」ということです。)
ビルトインスタビライザーの例としては、累進課税や社会保障などがあります。
ビルトインスタビライザーのメリットは、スピードが早いことです。
そして、デメリットは、的外れの可能性があることです。
ビルトインスタビライザーについては、こちら↓に書かさせていただきました。