ケインズ経済学
ケインズは、景気を良くする方法を考えた人です。
ケインズが生きた時代は、世界中が不景気でした。
みんなお金がなかったのです。
そのため、ケインズは、公共事業を行い、失業者を減らそうと考えました。
公共事業を行うと、そこで働く人が必要です。
公共事業を行うと、働く場所が増えるのです。
働き口を増やすことで、失業者を減らすことができるのです。
当時は、働きたくても働けない人がたくさんいました。
そのような人たちに、仕事を与えれば、彼らは、賃金をもらいます。
こうすれば、豊かさが広がっていくのです。
ケインズ経済学のデメリット
ケインズ経済学のデメリットを紹介していきます。
①財政赤字
一つ目は、財政赤字です。
つまり、政府のお金がなくなってしまうことです。
公共事業を行うには、お金が必要です。
労働者に賃金を払ったり、材料を買ったり、お金が必要なのです。
政府のお金は、税金で集めます。
私たちの税金が、公共事業に使われています。
しかし、今の政府の赤字は、1000兆円です。
税金が足りていないのです。
これを、未来の子どもたちの税金で払う必要があります。
②インフレ
ケインズのやり方に従うと、急激なインフレが起きる可能性が高いです。
みんながお金を得ると、お店のモノが高くても売れるようになるので、物価が上がるのです。
インフレは、ゆるやかだと、景気を良くします。
しかし、急激なインフレは、経済を混乱させます。
なぜなら、お店の商品の値段が急激に上がったら、お金の価値が下がるからです。
物価が上がると困る人は、貯金をしてきた人です。
今まで貯めてきたお金の価値が下がるからです。
急激なインフレは、国を混乱させるのです。
③選挙
ケインズ経済学の欠点の一つ目は、公共事業をやめれないことです。
なぜ、公共事業をやめれないのでしょうか?
なぜなら「政治家は、応援してもらいたい」からです
新しい道路を作ったり、橋を作ったりすれば、建設業者の仕事が増えます
そのため公共事業をする政治家は、建設業者から応援してもらえます。
しかし、いつかは借金を返す必要があります。
つまり、いつかは公共事業をやめなければいけません。
ただ、「公共事業をやめます」と言ったら、建設業者の人から応援してもらえなくなってしまうのです。
なぜなら、公共事業が終われば、建設業者にとっては、仕事が減るからです。
公共事業をやめると、そこで働いてた人は、また失業者に戻ってしまうかもしれません。
建設業者は、公共事業をやらない政治家を応援したくないのです。
そしたら、その政治家は、次の選挙では、落選してしまうかもしれません。
なので、現実世界では、なかなか気軽に公共事業をやめることはできません。
さらに、景気が良くなっても借金が返しきれない場合は、増税をする必要があります。
しかし、増税しようとする政治家は、応援してもらいづらいです。
このような事情があり、借金を返すという方向に動かないのです。
④インフラが整備されつくしている
もう一つの欠点は、インフラが整備されてされ尽くしているという点です。
日本には、インフラが十分にあるので、影響力が小さのです。
インフラとは、道路や橋など、みんなで使うもののことです。
公共事業とは、インフラを整備することです。
かつての日本は、戦後の焼け野原から、立ち上がるため、公共事業を頑張りました。
そして、道路や橋が増えていったので、どんどん便利な国になりました。
しかし、最近は、これ以上、道路は必要がありません。
日本は、既に必要な道路が作られ尽くしているのです。
そのため、今では、使う人がほとんどいない道路を作るようになってしまいました。
最近の公共事業では、乗数効果が生まれにくくなっています。
乗数効果とは、誰かがお金を使うことで、雪だるま式に、周りの人もお金を使うことです。
例えば、労働者が給料をもらって、お弁当を買うと、お弁当屋さんが儲かります。
お弁当屋さんが儲かれば、お弁当に必要な野菜などがもっと売れるようになります。
ドミノのように、誰かが儲かり、お金をつかい、別の誰かが儲かるのです。
乗数効果とは、それぞれに連鎖的に人々が儲かることです。
昔の日本は、公共事業でちょっとお金を出すとすぐに景気が良くなりました。
例えば、道路がない所に道路を作ったら、車の交通量が増えて、その周りの地域が活性化します。
昔の日本は、道路があまりなかったので、新しい道路を作ることで、地域の経済が発展していきました。
公共事業で景気が良くなったのは、乗数効果のおかげです。
しかし、今はいくらお金を注ぎ込んでもなかなか景気が良くなりません。
道路がすでに十分にあるので、乗数効果があまり生まれなくなったのです。