史的唯物論とは、マルクスの歴史観です。
どのような考え方か、詳しくみていきます。
歴史観とは?
「観」は、価値観の観です。
「歴史観」とは、歴史に対する価値観ということです。
つまり、「歴史への考え方」ということです。
マルクスの歴史観
マルクスは、どんな社会も、同じ順番に歴史が進むと考えました。
原始共産制
まずは、原始共産制です。これは、リーダーがいない状態です。
階級が存在しないし、貧富の差もありません。
古代奴隷制
次に、古代奴隷制です。これは、富の蓄積により、階級が発生する時代です。この時期では、お金を持ってる人は、奴隷を使ってモノを生産します。
封建制
土地を所有する人が現れます。そして、土地に住んでる人は、生産物を、土地代として、支配階級に納める必要があります。
資本主義制
次に、資本主義制です。これが、いま私たちが暮らしてる社会です。資本主義制では、お金がパワーを持ちます。お金を持ってる人と、持ってない人の格差が深刻になります。
社会主義制
資本主義で革命が起きた後は、社会主義制が待っています。社会主義制では、モノの生産は計画的に行われます。
どんな社会も必ずこういう移り変わりをたどるのだと、マルクスは考えました。
資本主義から社会主義へ
マルクスの主張の中で特に興味深いところは、資本主義の次は、社会主義になると考えているという点です。
資本主義とは、今の私たちが生活してる社会です。
なぜ、資本主義の後は、社会主義に移り変わると考えたのでしょうか?
それは、資本主義では、あまりに貧富の格差が広がるからです。
資本主義
資本主義には、資本家と労働者がいます。
資本主義では、資本家は楽に生活できて、労働者は、苦しい想いをします。
資本家は、お金を稼ぐために、労働者を苦しめながら働かせるのです。
こうすると、資本家はどんどんお金持ちになり、労働者は、ずっと貧しいままです。
労働者は、安い賃金でたくさん働きます。
そして、富は資本家に吸い取られます。
革命
そのような状態が続くと、労働者が耐えられるなくなって、革命を起こすと言われています。
そして、次のステージに移り変わるのです。
資本主義の次のステージが社会主義です。
資本主義から社会主義への変化は、あらかじめ決まっているというのが、マルクスの考え方です。
社会主義
社会主義というは、貧富の差がない社会です。
みんなが平等で、お金を分け合って生活します。
労働者は搾取をされず、働きに応じて報酬を受け取ることができるのです。