マルクスは、工場が機械化すると、労働者が搾取されると考えました。
なぜ、機械化すると労働者が搾取されると考えたのか、詳しく見ていきます。
まず、工場が機械化すると、それまでより、簡単に仕事ができるようになります。
労働者の仕事が簡単になるということは、労働力の価値が減るということです。
つまり、給料が減ります。
安い給料でしか雇ってくれなくなります。
普通なら、給料が減ったら、働く時間は短くなります。
しかし、ズルい資本家は、働く時間を短くしてくれません。
こうして、労働者が搾取されます。
今までと同じ時間、働いてくれるのに、給料が安くすむのです。
これは、資本家が嬉しい思いをして、労働者が搾取される状態です。
また、機械化は、労働を単純化すると言うことです。
つまり、ベテランさんは、もう要らなくなります。
新人を育てることに時間を使う必要がないので、利益を出しやすくなるのです。
また、ベテランにしかできなかったことが、新人にもできるようになります。
すると、誰でも働ける職場になるので、働きたい人が増えます。
働きたい人が増えると、安く働いてくれる人が雇われます。
働きたい人が多いというのは、労働者にとっては、自分の代わりがいくらでもいる状態です。
そのため、労働環境が悪くても、我慢するようになります。
我慢をしてくれるというのは、労働条件がますます悪くなるということです。
例えば、夜勤もしてくれるようになります。
そうすると、24時間営業が可能になって、もっと、たくさん生産できるようになります。
こうして、資本家の利益が増えます。
また、新しい機械がどんどん増えるので、古い機械しか使えない人が失業します。
失業者が現れると、働きたい人が増えます。
労働条件がますます悪くなると、資本家の利益が増えます。
そして、資本家は機械にもっとお金を使えるようになります。
すると、さらに新しい機械が発明されて、ますます仕事を失う人が増えるのです。
資本家にしてみれば、労働者が安い給料で働いてくれたら、嬉しいです。
それまで人間がやっていたものを、機械に切り替えることで、搾取がしやすくなるのです。