マルクスは、人間の労働には、2つの捉え方があると考えました。
「具体的有用労働」と「抽象的人間労働」です。
抽象的人間労働とは、どれくらいの労働量なのかということです。
言い換えると「単にエネルギーを使う」という意味での労働のことです。
パンを作るのも、野菜を作るのも、靴を作るのも、全部、人が体を動かして何かを作るということです。
とりあえず人が働いています。
そうゆう漠然とした意味での労働を「抽象的人間労働」といいます。
「単にエネルギーを使う」という意味での労働を「抽象的人間労働」と言います。
人間が労働するということは、いずれにしても、その人が労力を費やしているということです。
そして、この「抽象的人間労働」が「価値」を作ることになります。
たくさんの労力を費やしてる方が価値が大きいです。
つまり、長い時間をかけて作った商品は、価値が大きいです。
つまり「価値の大きさ」というのは、この「抽象的人間労働」の量によって決まっていて
この「抽象的人間労働」が多い方が「価値」が大きいということです。
抽象的人間労働とは、人が、何かしらの手を加えたという意味なのです。
また、商品の価値を測るには抽象化が必要です。
なぜなら、抽象化しないと、価値があるのか、ないのか、分からないからです。
モノを比べるときは、「栄養がある」「かわいい」などの使用価値を比べても、どっちが価値があるのか分かりません。
そのため、労力の量を比べるのです。
それぞれの商品に共通点があるとすれば、それは「労力がかかっている」という点だけです。
そのため、2つの商品を比較するためには、商品を作るためにかかった人間の「労力」を比べるのです。