話を簡潔に喋るべきなのは分かっているのに、ついつい分かりづらい話し方をしてしまった、という経験は、多くの人にあると思います。
なぜ、日本人は、結論から話すのが苦手なのでしょうか?
エリン・メイヤーの『異文化理解力』を参考に、考えていきます。
なぜ結論から話すべきなのか
社会に出ると結論ファーストが求められるようになります。
なぜなら、結論ファーストで喋ると、話を短時間で理解できるからです。
なぜ結論から話せない日本人が多いのか
アメリカでは、結論ファーストを習います。
しかし、日本では「起承転結」で意見を伝える方法を学ぶと思います。
また、伝える側が意見をハッキリ述べるのではなくて、聞く側が話を「汲み取る」ことを前提にしたコミュニケーションが行われます。
そのため、日本人は、結論から話すというコミニュケーションスタイルに慣れていないのです。
結論ファーストを学校で教育できないのか?
社会に出てからは、結論ファーストで話を伝えられる人が重宝されます。
それでは、学校でも、結論ファーストのコミュニケーションスタイルを学ぶべきではないでしょうか?
しかし、それが難しい事情もあると思います。
なぜなら、日本は対立回避型の国だからです。
対立回避型というのは、意見の食い違いをネガティブに捉える文化のことです。
例えば「私はあなたに反対です」と述べれば
「攻撃的だ」と評価されるのです。
例えば、意見に反対したい時は、最初に反対したいと思った理由や経緯を話してから、最後に「これらの理由で反対です」という順序で伝えるのです。
意見に反対しているということを、徐々に「察してもらう」のです。
また、学校では「先生に逆らわないこと」が求められる傾向にあると思います。
同調が重んじられて、あまり自分の意見を自由に言えないのです。
学校では、自分の意見を述べるだけで、「攻撃的」とみなされてしまう場合があります。
そのため、相手を傷つけない言い方をすることに、細心の注意を払う必要があるのです。
しかし、「結論ファーストで喋ること」と、「相手を傷つけずに喋ること」は、相性が悪いのです。
これが、学校で、結論ファーストを教育できない理由であると思います。
解決策
解決策としては、「意見の食い違い」をポジティブに捉える練習をしていくことが大切だと思います。
意見が食い違うというのは、喧嘩ではありません。
新しい視点から、物事を見るチャンスに恵まれたということです。
意見が食い違うというのは、議論が「盛り上がる」ということなのです。