労働者は奴隷より苦しい?労働者の搾取についてマルクスの『資本論』から学ぶ

マルクス
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マルクスは、労働者の方が、奴隷よりしんどい時もあると考えました。

その理由を見ていきます。

奴隷

サラリーマンが職場で奴隷のように働いても、法的には奴隷ではありません。

なぜなら、決まった時間だけ雇われているからです。

自分の意思で決まった期間だけ働くのは、法律的には「自由人」です。

奴隷とは、生涯を拘束されて働く人です。

一方で、労働者は労働力を売る人です。

労働者

しかし、資本主義が行き過ぎると、労働者は奴隷になると、マルクスは言います。

労働者とは、自分の能力だけでは、他の商品を売ることができない人です。

労働力を売る以外に生計を維持する手段がないのです。

生きるためには、お金が必要ですが、自分1人の力ではお金を生み出せないと、労働力を売るしかありません。

労働者は、商品を売るのではなく、自分の労働力自体を売らなければならないのです。

もし労働者が自分の労働力を完全に売ってしまえば、それは、奴隷と同じだと、マルクスは言います。

決まった時間だけ働くので、労働者は「自由な奴隷」ということです。

労働者と奴隷の違い

もし、その奴隷が体調を崩せば、主人にとっても、損失です。

そのため、主人は、奴隷が過労死しないように気をつけます。

一方で、労働者とは、労働力を売る人たちです。

資本家は、労働者の時間を買っています。

もし、労働者が体調を崩したら、別の労働者を雇えば良いのです。

そのため、資本家は、労働者が健康を崩しても、損失を被りません。

奴隷が体調を崩したら、主人のせいです。

しかし、労働者が体調を崩したら自己責任なのです。

奴隷みたいになる理由

マルクスの時代の人たちが、まるで「奴隷のように」働いていた理由は、工場が機械化していたからです。

全国の工場が機械化していくと、少ない人数での生産が可能になります。

また、ボタンを押すだけの仕事なら、熟練した技術も必要ありません。

そのため、余った人がクビになるのです。

その余った人たちのことを、相対的剰余人口と呼びます。

資本主義が進むと、雇用してもらえない相対的剰余人口が増えます。

それは、人を交換したい時に、いつでも工場に呼べる人たちなのです。

失業者が多い時

失業者が多いことは、働いてる人にとっても、しんどいです。

なぜなら、失業者が多い時は、労働環境が悪くなるからです。

労働環境が悪くなってしまうのは、相対的剰余人口が後ろで待ってるからです。

資本家からしてみると、いつでも、今いる人をクビにして、他の人を雇うことができるのです。

頑張って働かない人は、クビにされてしまいます。

だから、頑張ろうとなるのです。

そして、奴隷のように働きすぎてしまうのです。

相対的剰余人口は、働きたくても働けない人たちです

普段はニートだけど、呼ばれた時だけ働いてくれる人です。

つまり、低賃金で短期間だけ働いてくれるような人です。

こんな人がいると、労働条件は過酷になり、労働者は安心できないのです。

少額の賃金でも働きたい人が多いと、就職している人々も安心することができません。

労働条件がどんどん過酷になり、精神的にも安心できなくなるのです。

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