インフレには、デマンドプルと、コストプッシュがあります。
良いインフレが、デマンドプルです。
悪いインフレが、コストプッシュです。
それぞれの違いを見ていきます。
デマンドプル・インフレ
「デマンド」とは「需要」という意味です。
「プル」とは「引く」という意味です。
デマンドプル・インフレは、需要が物価を引っ張り上げるということです。
需要があるというとは「欲しい」と思う人がいるということです。
「欲しい」という人が増えると、お客さんが商品を奪い合う状態になります。
なので、高くても商品を買ってくれるお客さんが現れるようになります。
商品が良く売れる時は、企業は、値上げをします。
そのため、企業の利益が増えます。
需要があると、値段が上がるため、利益が増えます。
このように、商品を欲しがる人がいるから値上がりすることを、デマンドプル・インフレと言います。
高くても欲しいという需要が増えれば、企業は、利益が増えます。
また、従業員の給料が増えたり、買い物をする量が増えたりするので、さらに景気が良くなります。
コストプッシュ・インフレ
コストプッシュ・インフレとは、コストが物価を押し上げるインフレです。
原材料の価格が上がったり、賃金が高くなったりすることで、商品の値段が高くなることです。
コストというのは、原材料の価格や人件費のことです。
例えば、ドーナツを作るときに、小麦粉の価格が高かったら、ドーナツの価格も高くなります。
つまり、原価の値上がり分を、値段に上乗せすることになります。
値上げすると、それを買う人の人数が減ります。
そして、商品が売れなくなります。
こうした、原価(コスト)の上昇に押されて起きた値上げをコストプッシュ・インフレと呼びます。