賃金引き下げに労働者が同意しないから失業が続くと考えた古典派の考えと、ケインズからの批判をイラストで分かりやすく解説

ケインズ
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ケインズは、古典派の理論をいくつか批判しています。

そのうちの一つは「失業問題の原因は、労働者が賃金の引き下げに同意しないから」という理論です。

どんな批判をしたのか見ていきます。

賃金の決まり方

古典派は、賃金は、労働力の需要と供給で調整されると考えていました。

つまり、雇いたい人と働きたい人のバランスで、賃金が決まるのです。

もし、働きたい人が少ない場合は、賃金が上がります

働きたい人が少ない状態のことを「労働力の供給が少ない」と言います

一方で、働きたい人が多い場合は、賃金が下がります。

働きたい人が多い状態のことを「労働力の供給が多い」と言います。

労働力の供給が多い

当時は、労働力の供給が多かったです。つまり、働きたい人がたくさんいました。

そのため、賃金はもっと下がるはずだと、学者は考えました。

賃金を下げたら、景気が良くなるという考え方です。

完全雇用の作り方

古典派は、完全雇用(失業者がいない状態)を作るには、賃金が下がる必要があると、考えました。

作れば全部売れることになってるので、生産量が増えたら、たくさん儲けることができます。

しかし、現実では、賃金はあまり下がりませんでした。

学者は、その理由は、賃金引き下げに労働者が同意しないからだと考えました。

失業の原因

古典派では、失業の原因は、賃金引き下げに労働者が同意しないからだと考えられていました。

「労働者が安い賃金に満足してくれたら、景気が良くなる」という考え方です。

ケインズの考え

これに対してケインズは「失業者は働きたがっている」と主張しました。

賃金が安くても働きたいけど、そもそも働き口がないから、失業しているのである、と主張したのです。

たしかに、労働者は、給料を下げられたくありません。

しかし「安くても働きたい」という人もたくさんいたのです。

だから「賃金が下がれば景気が良くなる」というのは変だ、とケインズは考えました。

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