IS-LM分析は「景気を良くするためには、財政政策と、金融政策をするべきだ」ということを説明する時に使います。
IS-LM分析の目的は、財政政策と、金融政策が役に立つことを説明することです。

IS曲線は「財政政策をすると、国民所得が増える」という話をするためのグラフです。
LM曲線は「金融政策をすると、国民所得が増える」という話をするためのグラフです
景気
景気は、良い方がいいです。
景気を良くする方法は、国民所得を増やすことです。

国民所得が増えると、景気が良くなります。
所得とは、給料とか、賃金とか、収入と呼ばれるものです。

今回は、国民の所得を増やす方法を考えていきます。
国民の所得を増やす方法は、2つあります。
1つ目は、設備投資を増やすことです。
2つ目は、仕事を増やすことです。
設備投資
設備投資とは、工場を作ったり、機械を買い替えることです。
トラックを買ったり、機械を建てたり
パン屋さんだったら、オーブンを買い替えたりします。
設備投資は、民間投資とも呼ばれます。
設備投資と民間投資は同じです。

設備投資をする時は、銀行からお金を借りて行うことが多いです。
銀行からお金を借りる時は、利子率をチェックします。
利子率
利子率と、金利は同じです。
利子とは、企業が銀行に払うお金です。
これは少ない方が企業は嬉しいです。
利子率が低いと、企業にとっては、投資しやすいです。
そのため、利子率が下がる時は、設備投資が増えます。

利子率が低い時は、銀行から安い金利でお金を借りることができます。
安く借りられるなら、企業はお金を借ります。
なぜなら、もし、お金を借りて、工場を大きくしたら、儲かるからです。
儲かってからお金を返せばいいので、利子率が低い時は、お金を借りる企業が増えるのです。

利子率が下がったら、設備投資が増えます。
機械を買い替えると、機械を売る人が儲かります。
パン屋さんが、オーブンを買うと、オーブンを作ったメーカーが儲かるのです。
設備投資が増えた方が、景気が良くなります。

設備投資が多いと、国民所得が増えます。
IS曲線
IS曲線とは「財政政策は役に立つ」というのを説明するグラフです。

利子率が高い時は、国民所得は低いです。

利子率が低い時は、国民所得は高いです。

IS曲線が教えてくれるのは「国民所得と利子率の関係」です
パン屋さんには、2つの選択肢があります。
1つ目は、銀行にお金を預けることです。
銀行にお金を預ければ、利子がついて、お金が増えます。
2つ目は、オーブンを買うなどの設備投資をして、もっとパンを作れる状態を作ることです。
パンを売って儲ければ、お金が増えます。

パン屋さんは、「銀行にお金を預けた場合」と「設備投資をする場合」のどちらの方が儲かるかを考えます。
そして、天秤にかけた結果、儲かると判断した方を選びます。
まず、利子率が上がった場合です。
利子率が上がると、銀行にお金を預けるだけで、お金がどんどん増えるようになります。

設備投資より、銀行へお金を預ける方がいいということになります。
お金を銀行に預けるようになります。
そして、設備投資が減ります。
設備投資が減ると、国民所得が下がります。

一方で、利子率が下がると、銀行からお金が借りやすくなります。
お金を借りた時の利子が少ないので、気軽にお金を借りれるのです。
そのため、利子率が低い時は、設備投資が増えます。

利子率が下がった場合、設備投資をする人が増えます。

設備投資とは、例えば、機械を買ったり、オーブンを買ったりなどです。
そしたら、機械を作った人や、オーブンを作った人が儲かります。
国民所得が増えます。

ここまでがIS曲線の話でした。
ここからは、国民所得を増やすにはどうすればいいのか、という話をしていきます。
結論を言うと、国民所得を増やすには、財政政策が必要です。
財政政策とは、労働者に仕事を与えることです。
仕事を与えると言うことは、給料を与えると言うことと同じです。

給料をもらう人が増えれば、国民所得が増えます。

財政政策をすると、利子率を変化させないで、国民所得を増やすことができます。
それを、グラフで表すと、こうなります。

この図は「利子率は変化してないけど、国民所得は増えた」ということを表しています。
財政政策をすると、国民所得を増やすことができます。
そのことを説明したのがIS曲線です。
貨幣需要
次に、LM曲線の話をする前に、貨幣需要の話をします。
人は資産を持っています。
資産とは、現金と債券のことです。
資産を「現金」という形と、「債券」という形で持っています。

貨幣需要とは「資産を、現金で持ちたい量」のことを言います。

現金で持っていたいというのは、「債券を買いたくない」というのと、同じことです。
それでは、どのような時に貨幣需要が上がるのか、見ていきます。

債券は、高くなったり安くなったりします。
債券は、安い時に買って、高い時に売るべきです。
安く買って高く売ることを「投機(とうき)」と言います。

債券が高い時は、人々は、債券を買いません。
債券価格が高くなると、債券は売れなくなります。

また、債券を持ってる人は、債券の値段が高い時に、債券を売ります。
債券を売って、現金を持ちます。
貨幣需要が高くなるというのは、人々が現金で資産を持つようになるということです。

債券の価格が高くなるのは、利子率が低い時です。
債券の価格と、利子率は、逆向きに動きます。

利子率が下がると、債券の価格は高くなります。
債券の価格が高い時は、買いたくありません。
そのため、債券を売ってしまいます。

結論は、利子率が下がると、貨幣需要が上がるということです。

LM曲線
次に、LM曲線の話をします。
まず、利子率が下がると、設備投資が増えます。
つまり、モノの売り買いが増えます。

そんな時は、人々は、資産を現金で持っていたいと考えます。
つまり、貨幣需要が高くなります。

設備投資が増えると、国民所得は増えます。

モノの売り買いがたくさんされてる時期は、景気がいいです。
つまり、国民所得が増えます。

景気がいいなら、企業は、銀行からお金を借りて、設備投資をします。
銀行の利子率がちょっと高くても、お金を借ります。
景気が良い時は、利子率は高くなります。

貨幣需要が高くなると、利子率も高くなるのです。
それをグラフで見ると、こうなります。

LM曲線とは「金融政策は役に立つ」というのを説明するグラフです。
金融政策とは、景気を良くするために、日本銀行が頑張ることです。
金融緩和には、「金融引き締め」「金融緩和」の2種類があります。
今回は、金融緩和を取り上げて、話します。
金融緩和とは、銀行のお金を増やすことです。

銀行のお金が増えると、お金が余っている状態になります。
銀行は、企業にお金を貸し出しやすくなります。
「お金をもっと貸したい」と考えます。
そのため、利子率を下げます。

利子率が下がるほど、企業にとっては、お金が借りやすくなります。
利子率が下がると、設備投資が増えます。
こうして、国民所得も高くなります。


利子率が下がると、お金を借りる人が増えるため、世の中にお金が出回ります。
世の中にお金が溢れたら、お金を使う人も増えます。
だから景気が良くなっていきます。